朧月

春の宵に卦で見たものは。

春霞に誘われたように、気紛れに筮竹を取り出してはみたものの
卦兆を信じたこともない人間が何を占うのかと途方に暮れた。
学としての易には興味があっても、己の明日の身一つ予測できないのだから。







「朧月」とはぼんやりと霞んだ春の月、の意だそうです。春限定なんですね。
中郎から起家して逼塞している頃。いろいろ思うところはあったのではないかと。
ぼんやりとした不安の中にあってつい筮竹に手が伸びたりして。
でも占いなんかでよくありますよね、自分自身は占えないっていうタブーみたいなもの。
易はどうだったのでしょうか。

右下の月の色がみごとに吹っ飛びましたね……薄く塗りすぎた…。



用紙サイズ:B5 使用画材:不透明水彩、墨汁、色鉛筆、アートペン

07.04.23完成




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