灰月

落下していくのは月か己か見定めもせず。

幾度月が満ち欠けを繰り返したのか。己は三日で数えることを止めた。
眼下の、雲霞の如き敵影は、一夜の幻のように煙となることはないのだから。
幾月でも、何年でも持ち堪えて見せよう。
頭の奥でがんがんと鳴る警鐘には、ついに耳を貸すこともなく。







「灰月」とは生気を失った月、ということです。さすがにこれは絵を描く前に調べました。
意味を知ってほおーっと思いましたが、初めて見たときはさっぱり見当がつきませんでしたね。
意味を知ればもう剣閣しか思い浮かびませんでしたとも!ということで、おじーさん姜伯約です。
生気を失った月がテーマですから、この時既に成都は落ちています。実際の戦闘時にそこまで思いが及ぶか分かりませんが。

この絵は当初白黒にして、月だけを銀色で塗るつもりでいたのですが、姜伯約にはどうしても赤のイメージが。
よし、口紅さんいらっしゃ〜い、とべったべたに塗りましたよ赤マント。なんだか絵の具より赤の発色いいですね…。
極力色を減らしましたが、何故取り込んだときのサイズがこんなにばかでかいのか。むらが多いのが原因ですか。



用紙サイズ:B5 使用画材:墨汁、口紅、不透明水彩、アートペン

06.11.08完成




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