海月

俺は仲間じゃない。

水はまだ冷たかったが、陽気に釣られて飛び込んだ。
明るい陽を背に仄昏い水底へと掻き分けるように躯を沈めていく。
海は遠かろうに、迷い込んだ海月が戯れてきた。







「海月」とは海水を浮遊する腔腸動物のひとつ、と辞典に書いています。
あれですね、海でふらふら半透明のビニール袋みたいな生き物でぶすっと刺してくる。
甘興霸は海を見たことがあったのでしょうか。地図で見れば建業から一息のように見えないこともない。
当時は航海技術もそれほど発達していませんから海は恐怖の対象でしかなかったと思いますが、
甘興霸なら「すげえな、この先には何があるんだ行って見たい。」とか言いそうです。

水中から水面を見ると光が揺れながら反射して、光の筋が水の流れで動く感じが綺麗ですよね。
……全然表現できてないよう。水族館の大きい水槽だとそれが見れるのが好きです。
あと海月!半透明な感じってどうやって出せばいいのでしょうか……。



用紙サイズ:B5 使用画材:不透明水彩、墨汁

07.04.23完成




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