沈月

暗い影に没した月は何を詠う。

どれ程待ち望んだか、月が奈落へと墜ちる様を見届けた。
そして私は水面を彷徨う、忘れられた欠片を掬うように。







みなとの漢和辞典に“沈月”が載ってなかったので、“moonset”から、月の入り、ということです。
え、国語辞典?なんでしょうかそれ。…結構不便です。新聞屋さんの景品に加えてもらえませんかね。
ちなみにこの漢和辞典、昭和30年代の為か、付録の年表がえらいことになっています。
蜀が正統で、曹孟徳が死んだ後に赤壁の戦い勃発。どこの中国の出来事だ。他の時代も信じられないよ。

今回は、荀景倩を月に見立てるという、また無謀な方法を取りました。
また、魏国自体も月に見立てています。荀景倩は始まりも終わりも見ているんですよね。
魏国と共にあり、それでも尚、魏国の滅亡を願ったイメージで。
…本当は白髪のおじいさまにするつもりだったのですが、水面下という条件では厳しすぎました。


用紙サイズ:B5 使用画材:不透明水彩、墨汁

06.10.06完成




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